子どもに寄り添い、ともに成長を見守りたい。寮長 仙田 修二
社会福祉法人舞鶴双葉寮は終戦と共に昭和21年7月、引き上げの地、舞鶴で戦災孤児の収容を開始したことから始まりました。当時、東舞鶴駅前は空腹でやつれた孤児で溢れ、創設者の仙田順はそれを見過ごすことが出来ず、愛を持って施設にその者たちを受け入れたと語り継がれています。
現在は様々な家庭の事情で養育を受けられない児童が入所し、集団生活をしながら生活のルールや人間関係を学び、通学し、やがて自立していきます。時代が変わっても家庭に変わって深い愛情と正しい知識と技術をもって子ども達を育てる社会的養護の場であるという養護方針と、ひとりひとりが他にかけがえのない人格的存在であるという理念は変わることなく明日の社会の担い手となる児童の健全育成に力を注いでいます。
社会的養護が必要な児童達にとって、舞鶴双葉寮は生活の場であり、家と言えます。幼少期から青年期という人生の基礎を築く大切な時期を、この施設で過ごすことはきっと将来に向けての糧になります。中には家庭の事情で自分ではどうしようもなく入所してきた児童もいます。その様な児童に我々はどのように寄り添い、成長を手助けすれば良いのか、簡単に方法や結論が出るものではありません。しかし、児童福祉の専門集団として、経験と専門性を発揮し、児童の最善の利益を追求することが求められ続けます。児童の人生を支える我々に、決して妥協は許されません。舞鶴双葉寮を巣立ち、その後「双葉寮で良かった。」その声を子ども達から聞けることがこの仕事を続ける喜びになっています。社会的養護を必要とする児童の健全育成を児童福祉の使命として続けて参ります。